加速するインバータ化時代におけるEMC課題とその体系的解決策
パワーエレクトロニクス機器の普及がもたらす 電磁ノイズ課題への新たなアプローチ
パワーエレクトロニクス関連市場は成長を続けており、省エネルギーと高精度制御の要として、インバータ(VFD)をはじめとするパワエレ機器の導入が不可欠となっています。しかし、その効率化の裏側で、急峻な電圧・電流変動に起因する伝導ノイズ・放射ノイズが増加。これが制御システムや周辺機器の誤動作を引き起こし、深刻な事故につながるケースも報告されています。
本資料では、この避けられないEMC問題に対し、LAPP社が提供する包括的なソリューションを解説します。
伝導ノイズの二つの顔:ディファレンシャルモードとコモンモード
パワエレ機器から発生する伝導ノイズは、その伝搬経路から主に2種類に分類されます。 適切な対策を講じるためには、両者の発生原理と特性の違いを理解することが不可欠です。
1.ディファレンシャルモード(DM)ノイズ
経路:電流と同様に往路と復路を逆方向に流
れる。電流ループが比較的小さい。
発生源:主にスイッチングに伴う電流リップ
ル成分が原因。
特徴:回路内で完結するループのため、放射
ノイズの影響は比較的小さい。
2.コモンモード(CM)ノイズ
経路:ノイズは、往路・復路ともに同方向に
流れ、大地(GND)を経由して還流
する。電流ループが非常に大きい。
発生源:スイッチング素子と大地間の浮遊容
量などを介して発生するコモンモー
ド電圧が原因。
特徴:ループ面積が大きく、微弱な電流でも
強力な放射ノイズ源となりやすい。
EMC対策における真の課題はコモンモードノイズである
ディファレンシャルモードノイズも対策が必要ですが、多くの産業用アプリケーションにおいて、より深刻な問題を引き起こし、対策が困難とされているのはコモンモードノイズです。
なぜコモンモードノイズが問題なのか?
1. 予測不能な電流経路:大地や筐体、ケーブルラックなど、意図しない経路を介して広範囲に
流れるため、ノイズの電装ルートを特定しにくい。
2. 強力な放射ノイズ源:電流ループの面積が極めて大きくなるため、ケーブル全体がアンテナ
のようにふるまい、強力な電磁波を放射。周辺の電子機器や通信システムに深刻な障害を引
き起こす原因となります。
3. 対策の難易度:シールドやフィルタリングが不完全な場合、容易に外部に漏れ広がる。対策
はシステム全体での一貫したアプローチが求められる。
結論として、信頼性の高いシステム構築するためには、コモンモード電流をいかにして抑制するかがEMC設計の鍵となります。